親知らずを早い時期に抜いた方が良い4つの理由

患者様からよくご質問をいただく親知らずについてまとめてみました。
18歳頃から生え始める永久歯で、専門的には「智歯」や「第三大臼歯」と呼んでいます。抜くのは怖いけど、歯磨きしづらいし時々痛くなる嫌われ者ですが、一生抜かずに済む人は少ないように思います。
当クリニックではこのような理由で抜歯をお勧めしております。

むし歯や歯周病の原因になります

親知らず周辺は歯磨きが難しく不潔になる事で、歯グキが腫れたりむし歯できやすく痛みの原因となります。
また親知らずと隣り合う歯にも同じような影響が出るので、隣の歯の治療(むし歯治療や神経を取る処置、最悪抜歯になるケースも?!)が必要になることもよくあります。
しかし、隣の歯との間の骨を失った場合、通常の歯周病の治療では治らない事が多く、骨を再生させる手術が必要なこともあります。
また、隣の歯がむし歯になるときはかなり下の方に生じるため、適切に治療できないことがあります。

妊娠・出産・授乳の期間に悪さをします

女性にとって大切な妊娠・出産・授乳の期間ではつわりや女性モルモンのバランスの乱れで歯磨きが難しくなり歯ぐきが腫れやすくなる時期があります。
妊娠期間は安定期であれば抜歯は可能ですが、赤ちゃんへの影響を心配してお薬を飲む事を躊躇されるお母さんもいらっしゃいます。
出産後も子育てで手一杯になってしまい、ご自身の歯磨きは疎かになってしまう方も多いでしょう。
結果的に妊娠から卒乳まで約2年間ほど抜歯がしづらい時期ができてしまいます。(実際に抜歯ができない訳ではありません)

高齢になればなるほど抜歯が難しくなります

それでは、高齢者の方はどうでしょうか。
歯茎が痩せてしまい、今までは埋まっていた親知らずが出てくる事や、年齢とともに少しずつ歯磨きが難しくなり、むし歯や歯周病が進行してしまった結果、抜歯が必要になる患者様も多いです。
しかし高齢者の方は高血圧症や糖尿病、骨粗しょう症などのお薬を飲まれてる方も多く、抜歯に伴うリスクが高くなります。
さらに、徐々に親知らずとアゴの骨が癒着してしまい、抜歯が難しくなってしまいます。

矯正治療の際には邪魔になる事があります

現代人は顎が小さくなってきているので、綺麗に歯を並べるためには歯列矯正が必要な方が増えてきています。その際に親知らずが邪魔になるため抜歯が必要と診断されるケースがあります。
親知らずを抜くと小顔になりますか?と聞かれる患者様がいらっしゃいますが、あまり期待できないと思います(笑)

抜かなくても良い場合もあります

・上下左右の親知らずが真っ直ぐ生えており、歯周病やむし歯になっていない場合は残しておいても良い方もいらっしゃいます。
・親知らずを歯牙移植に用いることもありますので、むし歯や歯周病がなく、根の形が適している場合は役に立つこともあります。

抜歯のリスク

親知らずの周辺には大切な血管や神経があり、その位置関係は個人差があるので通常のレントゲンで近接が疑われる場合はCTを撮影し3次元的に親知らずと神経や血管の位置関係を把握した上で抜歯を行います。このときに撮影するCTは健康保険が適用されます。

抜歯後の注意点

抜歯後の腫れは2日後がピークでその後徐々に改善していき、痛みは3〜7日間くらい続きますのでしっかりと痛み止めを服用していただく事が一般的です。
2-3日は少し血の味がする事がありますが、かさぶたができて徐々に落ち着いていきます。
女性で肌が白い方は一時的に青あざができてしまうことも稀にあります。
抜歯後すぐにブクブクうがいをすると、このかさぶたが取れてしまい骨が露出した状態になります。その結果ドライソケットと呼ばれる状態となり強い痛みを伴うことになるので、術後のうがいは極力避けていただきます。

まとめ

抜歯の時の麻酔も含めて、抜歯中や抜歯後に患者様ができる限り痛みを感じないように気を配りながら治療をしております。
神経を傷つける可能性が高い場合や高齢の方、また患者様がご希望の場合には近隣の総合病院へのご紹介も致しますので、遠慮なくおっしゃってください。

長持ちする治療のためのケースカンファレンス

ケースカンファレンスを行っています

今日の午前中は月一のミーティングでケースカンファレンスをしました。
ケースカンファレンスでは初診患者様がどういう理由でお越しになり、どんな状態でどういう治療をしたか、治療計画はどうなっているか、と言うことを担当医または担当衛生士から説明します。それに対して院長はじめ他のスタッフとディスカッションします。
当クリニックでは業務時間の全てを治療に充てるのではなく、患者様のことを「考える」時間を作り、患者様が痛みなく、快適に過ごせるように。それが長持ちするような治療ができるように心がけています。

大阪大学歯学部同窓会での講演

 昨日、母校である大阪大学歯学部同窓会主催の学術講演会で1日講演をしてきました。
コロナの影響で開催が危ぶまれていましたが、会場での参加者を少なくし、それ以外の方はオンライン配信するいわゆるハイブリッド開催で行われました。講演は、私の盟友である東京の丸尾勝一郎先生と分担し、デジタルテクノロジーと歯科臨床についてお話をさせていただきました。
 近年、社会におけるデジタル化の波は著しく、私達の生活はどんどん効率的に、便利になってきました。
また、2年近くに及ぶコロナ禍によってテレワークなどのオンラインコミュニケーションが一般的になり、一層拍車がかかっているように思われます。
歯科の分野においてもデジタル化は時代の潮流となっています。
いまでは多くの医院で画像診断がフィルムからデジタル画像へと転換していますし、あの気持ちの悪い型取りが口腔内スキャナーに置き換り、被せものを作る工程が手作業からCAD/CAM技術に移り変わっています。
歯科医療におけるデジタル化はクリニックの効率化だけでなく患者様がより快適に良質な治療を受けていただくために不可欠なものになってきています。
当クリニックでは10年前から口腔内スキャナーを導入するなど、早くからデジタル化を進めており移転開業によってまれに見るデジタル化されたクリニックとなりました。
 本講演では歯科におけるデジタル化の重要性と診療用デジタル機器の使用方法などについて解説し、より良い歯科医療を提供していただけるようお願い申し上げました。


若手Dr.との勉強会

先日当クリニックにて若手の先生たちと毎月行っている勉強会がありました。
今回の題材は歯科雑誌の記事を取り上げ、自身の症例や経験をもとに意見交換を行いました。内容的には

咬合挙上について

 歯を失ったまま放置したり、歯がすり減ったりすることで、かみ合わせの高さが下がってしまう(口元がクシャってなる感じ)ことがあります。
この場合、もとの高さに戻すことを考えないと適切な歯に治療することができません。これを咬合挙上といいます。
咬合挙上するにあたっては、咬合挙上が必要なのか?どれくらい上げればいいのか?挙げるときの下顎の前後左右的な位置はどこがいいのかなど色々考えることが多く、なかなか難しいことなのです。

歯周組織再生治療について

 歯周病で失った骨とその周りの組織を再生する治療をいいます。
今回の記事では、外科処置をともなう再生治療をどのようなタイミングで、どのような状態に対して行うことが効果的かという内容でした。

抜歯窩保護術における骨補填材の使用について

 歯を抜くと周りの骨が萎縮し、本来の歯ぐきの土手よりも細く低くなります。そうすると、その後インプラントをご希望の場合、骨を再生する必要が出てくることがあります。とくに前歯では歯ぐきが凹むと見た目が悪くなってしまいます。
そこで、抜歯後インプラントを希望する患者様には、骨の萎縮と歯ぐきの凹みを少なくするために抜歯と同時に抜歯窩保護術を行うことがあります。
今回の記事はどういう状況のときに抜歯窩保護術を使い、どのような骨補填材などの材料を使うのかということにフォーカスされた内容でした。

痛くない麻酔の7つのポイント

身体に優しい歯医者さんを目指して|枚方市のとうかえでの道デンタルクリニック

サイト変更により消えてしまったブログの中で好評だった記事をリメイクしました。
先生の麻酔は痛くないとお褒めをいただくことが多いのですが、アタリマエのことをしているだけなので、ピンとこずあまり深く意識してなかったのですが、改めて考えてみて「痛くない麻酔」のポイントを綴ってみました。
歯科治療では局所麻酔を必要とする治療が多いのですが、歯医者さんで麻酔が痛いのはほんとに辛いので、当クリニックのドクターはみんなこの「痛くない麻酔」を身につけ、患者様が歯科治療を嫌いにならないように努めています。

極細の注射針で痛みを和らげます

 歯科の局所麻酔は注射によるものがほとんどです。歯ぐきに針をさすので痛いに決まってますよね。
そこで、歯科治療では注射針の太さが0.26〜0.4mmの極細注射針を使います。そうです針は細いほうが痛くないのです。
当クリニックでは一番細い33G、針先直径0.26mmを使っていますが、針が細いと麻酔液を入れるのに相当力が必要で手がピクピクするのが難点ですね。
<2021年12月更新> 更に先端経の細くなった35G注射針の使用を開始しました。針先は直径0.23mmの超極細サイズです。33Gでもかなり痛みは少なかったのですが、麻酔がさらに楽になり、治療を受けやすくなりました。

あらかじめ表面麻酔を塗ります

 いくら極細の針を使っても針には変わりありませんし、歯ぐきはとても敏感です。
そこで、針を入れる前にゼリー状の表面麻酔を塗ります。これを塗ることで、針を入れるところの歯ぐきの表面の感覚が鈍くなり痛みを感じにくくなるのです。
30秒ほど置いておくのですが、唾液と混ざって喉に流れると変な味がしますし、喉の奥のほうが麻痺して気持ちが悪いので注意が必要です。

麻酔薬を朝から温めておきます

 さて、歯ぐきに針を入れることが痛いのはもちろんのことだと思いますが、麻酔が本当に痛いのは麻酔薬が歯ぐきの中に入ってくるからなんです。
さらに、その麻酔薬が体温より低く冷たかったらどうでしょう。急に冷たいものが身体の中に入ってきたらそれは痛みとして感じます。
そこで、当クリニックでは麻酔カートリッジ専用の保温器を使って麻酔薬を予め体温付近の温度になるように温めています。これはかなり効果があると思いますよ。

歯医者さん用の電動麻酔器を使い、ゆっくり麻酔をかけていきます

 麻酔薬が歯ぐきの中に入ってくる痛みは温度だけじゃありません。その時の注入圧が強いと痛みを感じます。できるだけゆっくり注入するほうが痛くないのですが、超極細の針では圧力のコントロールが難しいのです。
それが、電動の麻酔器なら麻酔薬をゆっくりと注入することができるのです。
しかもこの器械は注入速度の強弱調整や注入速度を徐々に早めるといった機能もついています。
これを使うと患者さんは痛みが少ないし、私たちも無理な力をいれなくても注入をコントロールすることができます。

痛くないところから針を入れ、徐々に針先を動かします

 痛みを和らげる方法として神経終末である痛点が少ないところから針を入れます。
口の中は痛点の多い場所と少ない場所があり、どこから入れれば痛みが少なく、効果が得られるかを考えながら針を入れています。
そして、ある程度麻酔薬を入れたら感覚のない部分が出てくるので、その範囲内でゆっくりと針を先に進めるか、麻酔が効いているであろうところに再度針を入れていきます。
また、麻酔薬は柔らかい組織の方に流れていくため、本当に効かせたいところに浸透しないことがあります。そのようなときは歯科用ミラーや指を使って、ダムを作るように歯ぐきを押さえ、麻酔薬の広がる方向を調整します。

呼吸を整えていただきます

麻酔のときは皆さん緊張しますよね?でも緊張して身体が硬直すると、痛みが増すという研究論文を読んだことがあります。
また、深呼吸するとわかりますが、ヒトは息を吸うときに身体が緊張し、吐くときに緩みます。その論文では、この緩んだタイミングで注射針を入れるほうが痛みを感じにくいと書いてありました。なので、針を入れる前に深呼吸をしてもらって、息を吐くタイミングを見計らって注射針を入れ、先へ進めるようにしています。
そして、注入中は必ず患者さんの表情の変化を観察し、微妙な皮膚の動きで痛みを推測し、注入を止めたり、注入速度を遅くしたりしています。

患者さんに「痛くない麻酔」のおまじないをかけます

さて、ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後のポイントですが、私たちは麻酔のときに患者さんにあるおまじないをかけます。実はこれが一番効果的かもしれません。
でも、これをここで書いてしまうとおまじないが効かなくなるのであえて書かないでおきます。実際にお越しいただいて麻酔をする機会があったらわかるかもしれませんね(笑)是非体験してください。

まとめ

治療が痛くないようにするための麻酔なのに、麻酔をすること自体が痛いなんてとっても矛盾しています。
痛くない麻酔ができないと患者さんは歯の治療をしたくないですよね。
私たちは患者さんが歯科治療が嫌にならないようにいろいろ考えながら麻酔をしています。
それでも、痛みの感じやすさは個人差や精神状態によってもずいぶんと変化するため、やはり麻酔が痛いこともあります。
なので当クリニックでは無痛治療とは言い切りません。麻酔も含め、できるだけ痛みの少ない治療を心がけています。

とうかえでの道デンタルクリニック、本日オープンしました

牧野とくずはから便利な新しい歯科クリニック

牧野本町の山羽歯科医院は、本日西招提町に移転オープンいたしました。
移転に伴い名称を「とうかえでの道デンタルクリニック」と改称し、これまで以上に地域に根ざした歯科診療を行っていきます。
移転にあたっては、多くの先生や企業様からお祝いのお言葉やお花を頂戴し大変感謝しております。
患者の皆様のご期待に添えるように頑張ってまいりますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。
また、今後、ブログにて当クリニックの紹介をしていきたいと思います。